株式会社ワンスター(本社:東京都 千代田区 三崎町1-4-17 東洋ビル11F、
代表取締役:千葉裕介) のダイレクトレスポンスマーケティング研究所(以下DRM研究所 / 所長:山崎洋志)から、
「2016年の『デジタル領域におけるリピート通販ビジネス』の4大トピックス」を発表します。
変化の激しいデジタルマーケティング業界の変遷は、
中高年~シニアを中心としたリピート通販業界のマーケティングにも強く影響しており、
元来リピート通販業界が持つ特有のビジネスモデルと相まって、
特異な成長を遂げています。
デジタルマーケティング領域におけるリピート通販業界において、
今年特に注目されるであろう「4大分野」に関して、
DRM研究所の予測する今後の展望を含めて報告します。
なお本報告は、DRM研究所の所長山崎洋志を中心としたメンバーにて、
特に「リピート通販業界特有の変化」をテーマに検討しまとめたものになります。
▼1:越境ECの成功パターンが確立される年!
インバウンド消費の拡大や、中国の「独身の日」にアリババ集団が
約1兆7000億円もの売上を記録したことがニュースになるなど
アジア圏を中心とした消費が拡大した2015年。
リピート通販の領域でも、「越境EC」という言葉が多くの場所で
聞かれるようになり、以前から成長していた海外進出と共に市場が拡大しました。
2016年も、リピート通販業界における海外進出
(主に日本で販売している商品を他国で販売する事業)は
引き続き大きな成長が期待でき、
その中でも、この1年大きな動きが出てくる市場が「越境EC」ではないかと思います。
すでに仕入れ商品の販売などでは、中国でのモール販売を中心に
市場が拡大する越境EC市場。
リピート通販モデルではまだ大きな成功事例が見られないこの市場で、
システムや物流面での支援サービスが増え、
参入する企業が増加することが予想されます。
先行者利益がある市場でもあるので一部のベンチャー企業では、
越境ECをメイン販路として拡大するような企業も出てくるかと思います。
リピート通販モデルにおける越境ECの課題として、
定期コースの導入が難しい国の対応課題、
CRM施策・再購入施策における課題、
中国以外の国において独自ドメインサイトで進出する際のシステム課題、
規模拡大が見込めるのであれば現地進出したほうがよいという判断ができ
越境ECを販路としてどういう位置づけにすべきかが定まっていないという課題など
いくつかの課題があります。
どの国は越境ECで取り組むべきなのか、
どういう商材が売れるのか、
どれくらいの規模まで拡大できるのかなど、
多くの企業が参入する中で上記のような疑問に対する成功事例が現れ、
「成功パターン」が確立し始める1年になると思われます。
▼2:MAツールの導入は進むが、活かせる企業は少数。
総合的なマーケッターが不足。
CRM・システム領域では、
「マーケティングオートメーション(MA)」という言葉が一気に普及し、
新規顧客の獲得の目的だけではなく、
CRM領域に於いてもデータの統合およびそのデータを活用した施策実行が
進んだことも昨年2015年の大きな動きでした。
MAツール・DMPの導入は今後も進み、
リピート通販業界でも年商規模5~10億を超える企業かつ
WEBチャネルが販売の中心となる企業の多くに導入が進むことが見込まれます。
一方でMAツールの課題として、
導入したツールを活かしきれない、
データを分析まで出来ても施策に活かすことができない、
部署個別での導入となり会社全体での施策に活きないなど、
運用における課題がすでに顕在化されています。
この課題の背景には、リピート通販独特のビジネスモデルが
他業界と異なるノウハウを必要としているということが上げられます。
商品点数が少ないことや、定期コースに入れば顧客接点が減ることなど
分析指標が少ないリピート通販では分析を施策に活かすことが難しいこと点、
オフラインを中心に施策を行ってきた企業が多いため
MAツールが最も効果を発揮するメールを中心としたWEB施策
(新規獲得・既存育成共に)における改善幅が小さいという点など、
業界特有の問題が多く存在します。
こういった業界課題に対しては、リピート通販のビジネスに適した形で
ツール導入・データ統合・分析・施策実行を行う必要がありますが
それを実現するにはITにもデータにもビジネスモデルにも
オフラインを含めた施策にも精通したマーケッターの存在が必要となります。
しかしながら通販会社としてもそのような人材は少なく、
支援会社側もツール提供企業・分析支援企業・施策支援企業がそれぞれに分かれ
包括的な活用支援ノウハウを持つ企業も少ない状況。
2016年は上記のような人材を抱えた一部の企業のみが
高い次元での施策を実現させ、事例を作る年になり、
業界特化のノウハウを持ちデータから施策までを総合的に
管理することができるマーケッターの重要性が増す1年になると思います。
▼3:フォーム入力の改善が加速!外部データ利用+個別最適
アドテクノロジー関係では、2015年は接客ツールや離脱防止ツールなど
自社サイト訪問ユーザーのCVR向上のためのツールが多く誕生し
普及した1年となりました。
商品点数が少ないことや、クーポンでの割引を実施する企業が少ない
リピート通販ではこれらのツールの普及は一定にとどまった印象がありますが、
2016年は「フォーム改善」という部分が注目されるのではないかと
思います。
独自ドメインサイトがメインとなるリピート通販では、
広告経由の新規顧客の流入が多いことや
高齢者ユーザーが多いことから
入力フォームの課題は特に大きな問題となっています。
対策の1つの流れは「楽天ID決済」や「Login and pay with Amazon」のような
他企業のIDを活用して、必要な個人情報の入力を省いたり、
クレジットカード決済をスムーズに行うサービスの普及。
以前からSNSサイトやポータルサイト含めた、外部IDを活用した
フォーム改善サービスはありましたが、
2015年にASP型のカートシステムとの自動連携も進み
通販サイトとしての仕組みが整い導入ECサイトが増えつつあります。
次の1年で少しづつユーザー側の利用も進み普及期に向かうことが予想されます。
もう1つの流れは、フォームデザインをテストしながら最適化するという流れ。
バナーやLPにおけるABテストによる改善はこれまでも実施されており
一定の限界を迎えようとしています。
バナーやLPと同様に、購入フォームのデザインに関してもABテストを繰り返し
改善に努めることや、顧客別に最適化を行うという動きが始まっています。
ABテストツールが普及したことによりフォームデザインの変更ハードルが
下がったことも後押しし、広告効果の改善のための
フォームデザインの個別最適という流れが進み、
先の外部ID連携の普及と相まって
フォームストレスの改善が大きく進むのではないでしょうか。
▼4:アウトストリーム型の動画広告が一気に拡大し、
インストリーム型の普及は一定で留まる
最後に、現在ネット広告業界で注目されている動画市場。
動画市場のそのものは各社の発表からも2016年に著しく伸びることが予想され、
毎年のように今年は来ると言われていた市場が遂に大きく動き出す1年になりそうです。
そのような中で、リピート通販業界への普及としては
今後動画広告のメインとなる「インストリーム型」の広告は
2016年は大きくは拡大しないことを予想します。
※インストリーム型広告:youtubeなどの動画サイトの再生枠の中に
動画広告を配信するもの。視聴する動画の前に再生されるCM動画など。
ターゲットとなる顧客の年齢層が高いリピート通販業界では、
顧客の視聴メディアには偏りがあり、
動画メディアの普及は少し遅れてくることが考えられます。
一方、動画を活用したバナー広告であるインバナー広告や、
Facebookやニュースサイトのフィード等に動きのある画像広告を提示する
インフィード広告などの「アウトストリーム型」の動画広告の利用は
大きく普及することが予想されます。
すでにテスト的に取り組みを始めている企業もおりますが、
ここが一気に拡大し、一定時期までは先行者メリットを得る企業が
でてくることが予想されます。
アウトストリーム型の動画広告が普及した際に課題となるのが
「動画制作」です。
ここは支援会社に求められるものにはなりますが、
クリエイティブテストをスピーディーに回せる仕組みを作り、
安く早く動画をつくりテストノウハウを貯めることが
求められる1年になると思われます。
ワンスターは、リピート通販業界に特化し、デジタル領域におけるダイレクトマーケティング支援を行なっております。
今後も培ってきたノウハウを活かし、顧客の事業に貢献してまいります。
【本件に関するお問い合わせ先】
企業名:株式会社ワンスター
担当者名:松本
TEL:03-6860-4210